世界平和は一家団欒のあとに 10 (電撃文庫 は 9-10)
橋本 和也
これぞ大団円!
特殊な能力を持つ星弓家の長男軋人の奔走(笑)も今回が最終回。 最後は、このシリーズらしい、大団円でした。 いつも地球の危機やら世界の平和たらに関わりながら、 そういう大上段にではなく、大切な家族の危機のために 体を張ってきた軋人。 今回は最後らしく、星弓家の危機と、 一番大切な香奈子を助けるために、 いつも通り、ぼろぼろになりながら頑張った。 うん。こう言うところ、ほんとにいいなあ。 軋人の姉弟がやられていくところは 息が詰まるような焦燥感を感じ、 香奈子を引き留めようとするところは ぐっと胸に来るものがあり、 そして、そのストレートな告白の場面は 胸が温かくなって、 最後の開放感に満足した。 ほんと、いい、最終巻でした。 作者に感謝したいシリーズだ。
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その他の本の感想・レビュー
鹿男あをによし (幻冬舎文庫)
万城目 学
やっぱり作者はへんてこだ(爆)
少し前にテレビドラマでやっていたのを見ていたので、 展開で驚くことはなかった。 それがむしろ残念かも。 いやしかし、冷静に考えると、相当あやしいよなこれ(笑) 『鴨川ホルモー』同様、なんだかへんてこりんだけど、 でも、やっぱり一つの青春物語のような気がする(笑) ドラマとの対比をつい探してしまったけれど、 なんと言っても藤原先生が男だったのは驚いた。 そりゃ、綾瀬はるかの方がドラマ的には良いよな(笑) その代わり、こっちは堀田イトが実に印象的。 物語の山場は、彼女の出た大和杯の剣道対決だと思った。 実に凛々しく強く美しかった。 ちなみに、作者は『鴨川ホルモー』の合戦場面といい、 戦いの場面を描くのが意外と(失礼!)上手い。 ただのへんてこなだけではないのだ(笑) 最後にびっくりしてあっけに取られて ちょっと心温まるラストといい、 この作品でも楽しませてもらった。
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白銀の城姫 (MF文庫J し 4-4)
志瑞 祐
擬人化したお城って?!
なかなか設定が面白い中世ファンタジー 右手一本で建物を構築する『建奏師』や お城に宿る『城姫』が登場する。 城姫なんて、もろ擬人化したお城少女だった(笑) ただ、そんな面白い設定なんだけど、 読後感はちょっとビミョー ちゃんと話の山場も、熱いバトルも、 逆転の決着もあるのだが、 どうも、もう一つ乗り切れなかった。 ちょっと作者に置いて行かれたような感じ。 それと、せっかくの面白い設定の活かし方がまだまだのような気がする。 全体として、今後に期待のお話だった。
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レインツリーの国 (新潮文庫 あ 62-1)
有川 浩
ネット発の恋愛!
本作が書かれたのは今から4年前の2006年 その当時、ネットから始まる恋愛は、 どれくらい現実感を持って受け止められたんだろうか? 今なら、ネットの中で知り合って、 その後で現実に会うような経験を自分自身も体験しているので、 本作の出会いの場面は実によく分かる。 趣味の部分で知り合って、リアルの知り合いよりも恥ずかしい本音を語り合ったりする部分は、マジで恥ずかしい。いや、だって、実際そうだもん。 でも、実際に会ってからの話は、彼女が聴覚障害者という設定もあり、 ネットどうこうよりも、もっと普遍的な男女の恋模様、 いや、人としてのコミュニケーション、関わり合いのお話になっていると思う。 でも、やっぱり基本は恋物語。そこはさすがに有川作品。 登場する人物はやっぱりみんな真摯で真っ直ぐだ。 それに、ここに登場するひとみさんだけじゃなく、 有川作品の女の子は基本的にめんどくさい(笑) それは、無理に誰かに気に入られようとするのではなく、 ちゃんと自分という芯を持っているからだろう。 でも、そんな歯ごたえが良いんだよね(笑) あと、主人公の男性の関西弁。 個人的に関西ネイティブな私としては、ちょっとこそばゆかったりも。 ただ、「関西人はノリ突っ込みは標準装備」とか 「関西弁はいかなる外国語との喧嘩でも迫力負けしない最強言語」とか、 あははは。もう笑うしかないな(否定できないし) ということで今回も楽しませてもらいました。
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白山さんと黒い鞄〈4〉 (電撃文庫)
鈴木 鈴
ラブコメ、サイコー!
シリーズ第4巻は王道ラブコメ回 すごく綺麗にまとまっていて、 なんなら、この巻で最終回でもよかったんではないか と言うぐらいのすばらしい出来。 いわゆる恋敵(ライバル)の登場で、 二人がそれぞれの気持ちを確認しあう展開。 そして、最終的にお互いの気持ちをちゃんと伝えあう。 わー、告白だあ!(笑) ただ恋敵のムール・ミュールがものすごくいい娘なんで、すごく切なかった。 ムールミュールの力は『死に至る恋煩い』だけど、 彼女の本質は無償の愛だと思う。 それに対して、衡と白山さんの思いは恋だ。 たとえ自分や相手を傷つけることになっても、それでも、一緒にいたいと思う。 それは恋だろう。 そして、そんな恋の前に好きな人のためを思って諦め身を引くのが愛なのだ。 そういう意味で、これは二人の若々しい恋がムール・ミュールの無償の愛を押しのけた結末だと思う。 さて、この巻で二人の関係は一つ上がって、恋人同士になったわけだけど、 お話的にも、たぶん次回から違うステージに入るのだと思う。 黒い鞄や嚢界のしがらみ、衡に掛けられている呪い、を巡って 二人が二人の絆で乗り越えていく展開を期待してしまう。 次巻が待ち遠しい。
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光炎のウィザード 未来は百花繚乱 (角川ビーンズ文庫)
喜多 みどり
何はともあれハッピーエンド!
シリーズ完結。 最後は昼の石版と台座を巡るあれこれに決着が付いて、 それぞれの登場人物たちも、それぞれの落ち着き所を得て、 とりあえず、だいたい(笑)ハッピーエンドでよかった。 物語的には、途中色々入り組んだ構成になったり、 始原のキツネの意図がもう一つはっきりしなくて、 もやもやして少し入り込めなくなったこともあった。 でも、このシリーズの魅力はなんと言っても主人公リティーヤの性格、というかノリ。 たとえ落ち込んでても、やることはびっくり箱のようなリティーヤの行動に 呆れつつ、楽しませてもらっているうちに、結局最終巻まで読んでしまっていた。 なんというか、愛すべきキャラクターだよな。 最後のキツネはちょっと意表を突かれた。 でも、よく考えたら、そりゃそうだよな。 でもなんだか、今度はリティーヤとは別の少女で 話がさらに先に広がりそうな感じではあるな。 そういえば、後書きで感想を送ると、 後日談を郵送してくれるらしいけど、 それって、まじ? 『ウソです!』とか書いてないので本当そうだけど…… さて、トライしてみようかどうしよう?(笑)
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フルメタル・パニック!12 ずっと、スタンド・バイ・ミー(下) (富士見ファンタジア文庫)
賀東 招二
堂々の完結!
上巻を読み終わってすぐに下巻を買いに行って 速攻で読み終わってしまった。 ああ、堂々の完結。これぞ大団円。よかった。 とりあえず予想通りの結末。 でも、途中ではいろんな可能性を考えた。 もしかしたら、違った結末になるのかもとも思った。 でも、最後の最後には、やっぱり宗介とかなめのキャラだ。 女々しいのは似合わない。 倒れるのなら最後まで前向きにだろう。 そういう意味で、最後までぶれずに納得の結末だと思う。 それにしても、アルがサイコー! もはやただの機械じゃないんだな。 スーパーな自動車になったアルも見てみたい(笑) 陣代高校の同級生のビデオには泣かされた。 最後の高校での場面もいい みんなに冷やかされて祝福されての二人のキス! いや、もう、ラストとしては最高だな。 うん、満足。 残りのアニメ化も希望。 最後まで映像化して欲しい!
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フルメタル・パニック!11 ずっと、スタンド・バイ・ミー(上) (富士見ファンタジア文庫)
賀東 招二
いよいよ大詰め!
フルメタルパニック最終エピソードの上巻 決戦に向かうそれぞれの心の動きがメインかな。 実は『フルメタ』は今まで小説で読んだことがなかった。 最初はアニメシリーズ。 その後の話はコミックで読んでしまっていた。 でも、最終エピソードでずっと待たされていたので、 今回小説を手に取ってしまった(笑) まったく違和感はなかった。 それだけアニメやコミックが原作に忠実だったと言うことか。 で、物語はいよいよお詰め。 王道よろしく囚われの姫を助けにいく展開に突き進む…… 直前で切るなんて! あー、早く下巻を買って来なきゃ! どういう結末になるのか、すごく楽しみだ。
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ハリウッド・サーティフィケイト (角川文庫)
島田 荘司
松崎レオナの奮闘
『暗闇坂の人喰いの木』で登場した 松崎レオナを主人公とする御手洗ものの外伝的作品。 いつも、島田作品はミステリーとして読んでないのだが (つまり謎解きに興味をおいてない) 今回もハリウッドでのレオナの物語として読んだ。 島田作品らしく、かなりグロテスクで、そのくせ幻想的で、 ただ今回はレオナが主人公だからか、けっこうエロチックだった。 レオナは表面上はすごく強く自信に溢れていて、 でも、やっぱりあぶなっかしくて、 心の底には家族のトラウマが横たわっているのだろう。 女性を愛するのも子供を産みたくないからだ。 他の作品でも言っているけど、 ただ、御手洗だけが彼女の希望なのだ。 そのことがレオナの弱さを支えている。 そして逆に彼女の満たされなさの要因でもあるんだろうけど。 いつかまた彼女と御手洗潔の共演を見たい。 その時にはレオナはまた一回り大きくなっているはずなのだ。 そう願いたい。
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空を継ぐもの―覚醒遺伝子 (電撃文庫)
中村 一
ある意味幻想的な、でもSF的天使の話(?)
遺伝子とか生物学とか、 作者はたぶん理系なんだろうなあとおもう題材。 物語的にはSF的発想。なんとなく『パラサイトイブ』? お話はいろんな伏線を残しつつも綺麗にまとまっている。 ただ、おもしろかったかと言えば、ちょっと微妙。 ないかが足りない。 ちゃんと山場もオチもあるんだけど、 あまり盛り上がらない。いや、盛り上がれなかった。 すごく淡々と平板な印象だ。 展開がだいたい読めてしまうと言うこともある。 でもそれ以上に、主人公の性格がちょっと醒めた感じなのが、 物語にうまく入り込めなかった要因だと思う。 なんというか、薄い膜を隔てて物語の進行を眺めているような距離感がつきまとってしまった。 どこかで見たような話の展開や あまりにさらりとしすぎているエピソードなど 全体的にもう一つの感がある作品だった。
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乃木坂春香の秘密 12 (電撃文庫 い 8-20)
五十嵐 雄策
椎菜がんばった!
前巻同様、なんというか、ダメだな…… 今巻は椎菜ががんばった巻。 ようやく告白できて、そして、その結果…… 登場時からして、ああ、この子は春香の対抗で でも、実らない恋なんだろうなあと思っていたけれど、 それは予想通り。 でも、椎菜は真摯に自分の心をすべて裕人にぶつけて 自分の気持ちを告白した。 うん。えらいよ椎菜。 それに対して、裕人は…… もう、なんて言うか、裕人の鈍感さにイライラきた。 アホか! と。 普通、女の子に告白されて、その返事を待たれてる時に、 もうちょっと真剣に悩めよ! そこで変なイベント描写に逃げないで欲しい。 もっと、ちゃんと内面を描くべきだと思う。 そういう意味で、全然ダメ。 全く納得できない。 作者はもっとちゃんと考えるべきだと思う。 ここまで読んできたんで最後まで付き合うつもりだけど、 もうね、読むのがしんどくなってきた。 ハア……
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